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いよいよ出発の時が来た! 2時過ぎにはホテルを出て海への階段を下りた。
海水をタッチしAM2:25スタート!!

DJもっちーのポッドキャスト
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こんな時間に登山口へ向かうのは我々二人だけだった。
全く寒くなく半袖でOK。
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ヘッドランプの明かりを頼りに進んでいく。
初日は海から朝日小屋まで約30㎞、累積標高3000m
くらいになる一番の長丁場。標準コースタイムは約20時間

予約必須の小屋なので事前に電話して一日で親不知から行くというと、
女将さん「何時に出るの?」
私「AM3時予定ですが」
女将さん「遅い!!!もっと早く出ないと到着しないよ!何時間で来るつもり??」
私「12時間くらいの予定ですが・・・」
女将さん「そんなん軍隊じゃないと絶対来れないよ!!もっと早く出発しなさい!!」
私「ありがとうございます・・・」


てなやり取りが数日前にあって出発は30分早めて(笑)
しかしとにかく標準CTの0.5~0.6くらいで進めるように気合を入れた。

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おおなんというフレッシュな塊!
通り過ぎる瞬間から香ばしい臭いがする・・・
トレイルのど真ん中にこんな事をするのは以外に居るのか??
熊鈴はいらんと思って置いてきた・・・
しかし進むしかない。

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ここまでで3回ほどフレッシュな塊を見るが幸い熊と遭遇はせず。
標準CT5時間30分を2時間ちょいで到着して、変な汗をかきながらひとまず安堵する。
ここまではCT×0.4以下で速く進んでいる。

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30㎞先の朝日小屋まで物品を販売している小屋も店も無い。
水はザックに1L入れてあとは自然の沢水に頼るだけ。
シキ割の水場、それほど冷たくはなかったが有り難く飲ませてもらう。

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一つ目の無人小屋は白鳥小屋、6時過ぎ到着だったので順調。
しかし小屋到着前にまあまあな雨が降ってきたので休憩も含めて小屋に入る。
降りやむ気配もなくむしろ雨脚は更に強まる
辛うじてスマホの電波がたまに入るので雨雲レーダーを確認すると、
なんとこの先2時間は真っ赤な様相大雨かい!?
しかもゴロゴロ雷の音が聞こえ2回ほど光った・・・
まずい、雷雨が通り過ぎるまでここで待機するしかないと判断。
稜線では無いものの雷が落ちると命はひとたまりもない。

まだAM6時台、焦ることはない。
2時間滞在しても16時には間に合うはず。

そして暫く小屋で寝た。

すると一人のトレイルランナーが大雨の中レインも着ずに小屋に入って来た。
聞くと更に上の栂海山荘に泊まっていて今日は親不知まで下りるとのこと。
UTMF2019も出場した男前の青年だった(富山在住←誰かしらんかな?)。

この雨の中朝日小屋まで行くんすか?かなり距離も標高もありますよ、と言われた。

彼の滞在時間は30分ほどであったが、雨の中行きますわーって行ってしまった。
不思議な事に彼とは7日後の立山でも会うことになる。

降り止まない雨と雷、停滞して2時間半近くになる。
雨雲レーダーはまだ先の11時頃までかなり真っ赤。
しかしもう行かないと小屋に夕方までに辿り着けない。


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完全雨対策をして9時前に白鳥小屋を出発した。
とにかく先へ進むしかない。
まだゴロゴロと雷の音がした。

その雨の中一人の若い女性とすれ違った。
会釈だけであったが数年前から知る屈強なトレイルランナーのフォロワーさんだった事が翌日に判明する。
山の偶然と縁は面白い。

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雨と雷の中10時40分頃2つ目の無人小屋到着する。
休憩入れると出発から8時間を超えていた。
軽く食事をとりここに泊まるか先へ進むかを検討。
標準CTではここからまだ9時間はある。
×0.6で進めば16時ギリ朝日小屋に到着できるかもしれないが、
何事もなくかなり順調にいかなければならない。


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覚悟を決めて出発。
さわがに山まで山荘から1時間かからず到着。
ここの手前にある北俣ノ水場は稜線から5分ほど下るが、
水がキンキンに冷えていて超旨かった。
この頃には雨雲レーダー通り雨が上がってきた。

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11:36暑くなってきたのでレインを脱ぐ。

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12:53 ニッコウキスゲ

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13:15 黒岩平
この界隈からは走れますと聞いていたが、奥さんはとても走れる感じではなかった。
初日の電車移動約500㎞、夜中に起きて既に10時間は山に入っている。
まだここから小屋までCT7時間
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13:31 黒岩平の雪渓、もちろんアイゼンは持ってきていない。
少々滑るが何とかなった。
しかし踏み跡が渋くGPSで確認しないと進めなかった。

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また別の雪渓出てくるが、この絶壁はとても進めるはずもなく大きく迂回して進まざるを得なかった。
まだこの先にもルート不明な雪渓が出てきた。
時間がかかり焦る。

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雪渓以外はメルヘンなお花が出てきて癒してくれる。
アヤメ平だったと思う。

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15:53 ようやく朝日岳到着。
やはり小屋到着は16時回ってしまう。
丁度その手前で小屋を目指している山慣れた女性お二人にお会いすると、
「今日はこんな天気でキャンセルも多いし、もう慌てて行くより安全に行きましょう」と云われる。
そりゃそうだ!


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朝日岳から小屋まで約40分。
木道が心地よかった。

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見えてきた!
16時半頃なんとか小屋到着。
小屋前に寛いでいる人に親不知の海から来たというと「スゴイ!!」と拍手をされた。
栂海新道を使ってここに来るのは2日が常識のようだった。

女将さん「遅いよー!!」
私「すみません、雷で白鳥小屋に停滞してまして・・・」
女将さん「まぁしかたないけど何時に親不知出たの??」

これはとても愛情のある口調で我々の無事を心配してくれての事とすぐに分かった。
大変申し訳ありませんでした・・・。

到着は出発から14時間後、
途中2時間半停滞していたので行動は12時間弱だった。
これは自分の想定していた通りであったが、雨が無ければあと1時間短縮できたかもしれない。


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16:45 到着してから15分後には晩御飯という・・・
食前酒もあり山小屋とは思えない美味しい食事であった。
500ml800円の缶ビールであるが、これは欠かせない。
奥さんと初日計画達成を祝う。

隣に座った新潟県の70代ご夫婦と談笑、

夕日が出てきたと女将さんが大きな声で教えてくれた。
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今日の雨と雷はなんだったんだろう。
そう強く思わせる夕日と朝日小屋の素晴らしいロケーション。
歩いて来た甲斐があった。
奥さんも本当に良くついてきてくれたと思う。
全ての事に感謝して今日はなんとか1帖1人の布団に入れた。

~続く~



DJもっちーのポッドキャスト、かつおも喋ります。